一から調律を行うのは、精神的に結構疲れます。
プロの調律師さんは仕事とは言え、凄い集中力の持ち主なのだとわかりました。
そこで編み出したのは、プロの調律師が調律した数日後に気になる狂いが出始めた時に、その音だけ調律し直すというやり方です。
これなら大して時間もかからず、比較的簡単にできます。
3本弦の所であれば、音が狂いだした事が見つけやすいでしょう。
明らかに今まで音が合っていた時より響きが変わります。
早めに気がつけば、殆どの場合3本の弦の内1本だけが狂っています。
フェルトウェッジを使って、真ん中の弦と左だけ鳴るようにします。
次に真ん中の弦と右だけ鳴るようにします。
左右で違う音が鳴れば、気になった弦のみチューニングハンマーで調節します。
これでほぼ解決します。
左右どちらもおかしい時は、真ん中の弦が狂っているか、そもそも全ておかしいかどちらかです。
この場合は、それぞれ1本ずつ鳴るようにフェルトウェッジを差し込んで、オクターブ下とオクターブ上の音と同時に鳴らして狂いを見つけます。
チューニングハンマーは右に回すと音高が高くなり左に回すと音高が低くなります。
ギターのチューニングをやった人なら分かると思いますが、基本的に微調整です。
あまりにも右に回しすぎれば、弦が切れます。
逆に左に回しすぎれば、弦が緩みすぎて別の問題が起きます。
それは駒から浮き上がったりガイドから外れてしまったりすることです。
こうなると、正しく響かなくなってしまいます。
また、チューニングハンマーは回すというより、下に押したり上に持ち上げたりという説明の方が感覚的には合っていると思います。
メーカーによってピンが硬かったり緩めだったりします。
経験上、カワイは固めが多く、ヤマハは滑らかな感じで、DIAPASONは中間でした。
調律しやすいピンを「ピン味が良い」と言い、調律しにくいピンを「ピン味が悪い」と呼びます。
もう一つ大事なのは、ピッチを上げながら合わせるか、それとも下げながら合わせるかという問題があります。
低めのピッチを上げながら合わせた所で止めると、張力で戻されてしまうようです。
そこで少しだけ高めにしておいてから、ほんの少し下げ気味に押し込みながら音を合わせると、そこで音が安定するようです。
この微調整は何度もやって、感覚を掴むしか無いようです。
これを他の弦にも同じ塩梅で音合わせしてあげることができれば、安定した調律になります。



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